2011年夏、節電志向の後押しもあって大きく普及した「スーパークールビズ」だが、スーツに慣れ親しんだ男性陣からは「自分に合ったデザインがない」「体のラインが気になる」などと不満の声も挙がっていた。
そんな人におすすめなのが「かりゆしウェア」だ。本場・沖縄では今や夏のビジネスファッションとしてすっかり定着し、愛用者は8割にも上るとか。近年では全国区での普及も進んで、2012年夏は大手百貨店が夏商戦の目玉に位置づけるなど「クールビズ」業界の台風の目となりそうだ。
12年はさらに製造枚数伸びそう
沖縄県内のかりゆしウェア業者による「沖縄県衣類縫製品工業組合」によると、かりゆしウェアの製造枚数はここ数年減少していたものの、2011年は35万枚を越すなど好調を記録したという。
県外でのクールビズとしての普及が背景にあると見られ、メーカー側でも県外の市場を意識し、「沖縄の強い日差しの下」以外でも映えるよう、ブルー系や比較的柄が小さめの製品も増やしているという。2012年は製造枚数がさらに伸びるだろうと組合では見込む。
おなかぽっこりも目立たない
東京の東武百貨店池袋店では5月10日から「かりゆしウェアコーナー」を設け、5月末までに最大40種類のかりゆしウェア(6980円~9800円)を販売する。
「同じクールビズアイテムとして注目を集めるアロハシャツに比べ、かりゆしウェアには落ち着いた柄のものも多く、シックなコーディネートもできるなど幅広い年代の方に似合います。また裾をズボンに入れないので、おなかのでっぱりも目立ちにくいのが特徴です」(同店広報)
2012年は沖縄返還から40年の節目の年でもある。この夏は花やかで涼しいかりゆし姿を、全国で見ることができそうだ。