実業之日本社は2012年5月17日、漫画単行本『猫なんかよんでもこない。』(杉作・著、定価945円)を発売する。
著者の杉作さんは、猫の「クロ」を主人公として「モーニング」「イブニング」でおよそ5年にわたって連載された漫画「クロ號」の作者として知られる。本作はこの「クロ號」に登場する猫たちのモデルとなった2匹の猫と、作者自身の生活を描いた実話に基づいたストーリーだ。
夢破れ、収入もなく、猫2匹
世界チャンピオンを目指してボクシングに励んでいた主人公は、目の負傷が元で夢を諦めざるを得なくなってしまう。収入もなく、同居していた兄も去ってしまい、失意の中で手元に残ったのは、直前に兄が拾ってきた猫の「クロ」と「チン子」だった。主人公は自分の夢を託すようにクロに強い「ボス猫」になってほしいと願うが、クロはメスのチン子に負けるほどの臆病者だった。そんな2人の「夢」はしかし、思いもよらない結末を迎えることになる。
猫嫌い、犬派だった主人公が2匹との生活の中で、つい近所の猫も気になるようになっていく心境の変化が味わい深い。個性豊かなクロとチン子との日々をかわいらしく温かみのあるタッチで描く一方で、避妊や挫折、病気など時にシビアな内容もつづっており、単なる「猫かわいい」だけの作品ではないのが特色だ。
作者の杉作さんは11日、USTREAMとニコニコ生放送で配信される動画番組「J-CAST THE FRIDAY」(https://www.j-cast.com/trend/friday/main.html)に出演、本著にまつわる猫たちとの裏話などを聞く。
昼12時30分から。アーカイブあり。