王子キロノクス(静岡・富士市)は2012年5月7日、ホームページ上で、「セシウム除染用ゼオライト不織布」を開発したと発表した。
土壌や樹木の除染にも効果期待
ゼオライトは水質改良材として用いられており、放射性同位元素を含む汚染水の処理において、放射性セシウムを吸着する研究報告がある。
長年ゼオライトによる放射性セシウム除染の研究をおこなっている三村均東北大教授の性能評価によれば、ゼオライト不織布は、海水、アルカリ性液体、酸性液体、それぞれの条件の汚染水からセシウムを吸着できるなどの優れた性能をもつといい、実際の放射性セシウムについても吸着性能があることを確認している。
用途に応じて、柔軟性、強度、耐水性をコントロールでき、コンパクトなことから、セシウム汚染水の除染を必要とするさまざまな場面での活用が期待される。
また、汚染された土壌や樹木を、水を介して除染する用途でも実用評価を進めており、さまざまな場面に対応したゼオライト不織布の実用化を目指す。