日本人はセックスに淡白――そんな「国民性」がこれまでたびたび指摘されてきたが、「決して低いわけではない、むしろ高いといえるのでは」と反論するのは夫婦問題研究家の岡野あつこさんだ。
事実、日本イーライリリーと日本新薬が2012年4月26日に発表した、全国の既婚男女625人を対象とした調査結果からは、EDのためセックスが困難な男性に対し妻からの不満が高い傾向が見られた。「EDを疑われる夫」を持つ妻の3人に1人が「離婚を真剣に考えたことがある」と回答し、その6割以上が要因に「セックス」があることを認めているのだ。
「セックスは大切なコミュニケーション」9割
とはいえ、セックスの不満が即離婚に結びつくわけではない。「ED夫と離婚を考えたことがある妻」にしてもセックス以上に、「夫婦間のコミュニケーション不足」を理由として挙げた人が71.6%と高い割合を占めた。
同調査では既婚男女の86.9%が「セックスは大切なコミュニケーションツール」と回答しており、EDによるセックスレスがコミュニケーション不足を招き、結果的に夫婦の危機をもたらす、という図式が見て取れる。
休日は雰囲気を作って…
もちろんこれはEDではない男性にとっても同じことだ。前述の岡野あつこさんは夫婦円満のため、男性が「妻が応じやすい雰囲気(ムード)をつくりあげてあげることが大切」だと指摘する。岡野さんは今回の調査で74.6%が「セックスは平日より休日に」、64.0%が「夫婦一緒の食事やお酒がムード作りには大切」と答えていることも踏まえ、
「まずは、休日に妻と一緒に食事やお酒を楽しむことから始めてみると良いのかもしれません」
と、世の夫にアドバイスを送っている。
「日本人はセックスに関心が薄いっていうし……」と決め付けず、積極的に「セックス」に向き合うことがやはり大切なようだ。