中年期のオタクが中国美人と異文化婚
朝日は、『中国嫁日記』(井上純一著、エンターブレイン)。40歳すぎの「どうしようもないオタク」がひょんなことから20代の中国人美女と見合い結婚する。想定を超えた「嫁」の異文化ぶりを漫画化した著者のブログは1日4万ヒットを超えたという。
ただの異文化婚ものではない。オタクといわれた若者たちが中年期にさしかかって結婚したときに何が起きるかをも垣間見せる。ここを評者の精神科医、斎藤環さんが指摘している。「著者自身のオタク性も十分にヘンなのだ」「自身を批評し笑いのめすというユーモアこそ本書の真骨頂だ」と、この評価、けっこう高い。
国際間や世代間のギャップ、一般人とオタクの境でおきるギクシャクは、もともと漫画の得意な題材。それは漫画やフィクションの世界よりも早く現実に起きていて、そこに漫画がピタリと身を寄せてきた。だから、大人の読み物になったのだ。楽しめる。
(ジャーナリスト 高橋俊一)