花椒の風味がポイントだった 日中「即席マーボー豆腐格差」

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

悩むほど多い豆腐の種類

使い道に悩むほど種類が多い豆腐。漢字から用途を類推する
使い道に悩むほど種類が多い豆腐。漢字から用途を類推する ローカル色の強いスーパーの豆腐コーナー。左から自家製豆腐、豆乳(袋詰め)、右のケースは豆腐皮や油揚げに似た製品
ローカル色の強いスーパーの豆腐コーナー。左から自家製豆腐、豆乳(袋詰め)、右のケースは豆腐皮や油揚げに似た製品

   さて、麻婆豆腐の主役は豆腐である。中国の豆腐には大別すると「北豆腐」と「南豆腐」があり、北豆腐は中国北部の固めの豆腐、南豆腐は柔らかい豆腐……なのだそうだ。しかし「南豆腐」という名称で売られているものには北京でまだお目にかかったことがない。北京の大手スーパーで販売されている豆豆厨というメーカーのものには、「北」「炒」「?」「拌」「涼」「湯」という種類があり、どれをどう使うのかに悩む。「北」「炒」「?」は固くて、日本の木綿豆腐をもっと水分をもっと少なくした感じなので、こちらが北豆腐、「拌」「涼」「湯」は絹ごし豆腐のように柔らかいので、南豆腐の範疇になるのではと思われる。それ以上の細かい区別がよくわからないが、漢字から「炒」は炒め物用、「湯」はスープ用だろう……などと類推している。北京のレストランの麻婆豆腐はやわらかい豆腐を使っているが、切りやすいこと、箸で食べやすいことから、邪道なのかもしれないが、固い豆腐を使っている。

   欧米人が行くような西洋型スーパーでは豆豆厨のパック入り豆腐しか売っていないが、地元の人が買い物するスーパーでは、その場で作った豆腐が売られている。これが、非常においしい。うまくタイミングが合うと作り立てのほかほかしたものが手に入り、おもわずかじってしまう。大豆の味が濃く、これで作ると麻婆豆腐も味が違う。保存料が入っていないか少ないのも、関係しているのだろう。豆豆厨のパック入りは20日間も保存できるので、いったいどれだけ保存料が入っているのかと心配になる。しかし西洋化の波で地元の人でもパック入りを買うようになったのか、近所のスーパーからこの自家製豆腐が消えてしまったのが、非常に残念だ。

小林真理子


【プロフィル】
小林真理子(こばやし まりこ)
北京在住3年のフリーランスライター&翻訳業。
趣味は旅行と武道。

姉妹サイト