やっとの、日本公開だ。「ウディ・アレン映画で最高の興収を記録」「第84回アカデミー賞で脚本賞受賞」など、海の向こうのニュースを聞きながら、「一日千秋」の思いで日本公開を待ち望んでいたファンも多いはず。
2011年製作の映画「ミッドナイト・イン・パリ」の舞台は、パリ。ニューヨークばかり50年撮ってきたウディ・アレンだが、最近になってロンドン、バルセロナなど、ヨーロッパの街を撮るように作風が変わってきた。そして「マッチポイント」(ロンドン)、「それでも恋するバルセロナ」(バルセロナ)など次々と傑作を生み出している。
この夏は、天才老人のわがままに付き合ってみたい
70を過ぎたウディ・アレンは、きわめて恵まれた映画監督しか過ごすことのできない、晩年の輝きの中を生きているといえる。たとえば、ルイス・ブニュエルのような。
この映画の設定も、老人監督ウディ・アレンにしか許されないようなデタラメなものだが、そこが素晴らしい。魅惑の街パリでは、夜に魔法がかかる。主人公が出会う男たちはつぎつぎこう名乗る、フィッツジェラルド、ピカソ、ダリ。とつぜん、20年代のパリに迷い込んだようなこの脚本で、ウディ・アレンはオリジナル脚本賞を受賞した。この快進撃は、まだまだ続きそうだ。
待望の公開は5月26日。公式HPは、http://www.midnightinparis.jp/。