小惑星イトカワからのサンプル採取に成功し、2010年に無事地球に帰還した探査機「はやぶさ」の活躍は多くの人々の感動を呼んだ。しかしそこにいたるまでには、宇宙開発草創期以来の苦闘があったことを忘れてはいけない。
映画「宇宙兄弟」で月や月面の設定にかかわるなど、宇宙に詳しいライターの村沢譲さんが2012年4月27日に上梓する『日の丸ロケッツ 日本宇宙開発物語』(文芸社、233ページ、定価1260円)は、「日本ロケット開発の父」糸川英夫博士からはやぶさまでの、半世紀にわたる日本宇宙開発の歴史を描いたノンフィクションだ。
27日、J-CAST番組で生特集
糸川博士によるペンシルロケット実験(1955年)に端を発した日本の宇宙開発は、1970年に初の人工衛星(「おおすみ」)打ち上げ成功で日の目を見る。しかしその後の開発は挫折に次ぐ挫折と言っていい。苦闘を続けた日本の宇宙開発だが、2003年のJAXA設立を機に好転し、2007年には月探査衛生「かぐや」、そして「はやぶさ」という成果を出すにいたった。
本著では時に壁にぶち当たりながらも諦めず、宇宙に挑み続けた日本人科学者たちの姿を活写する。米露とは一線を画す独自の宇宙技術は、いかにして醸成されたのか。またこのほか、本著でしか読めない「はやぶさ」の秘話も収録している。
著者の村沢譲さんは4月27日、USTREAMとニコニコ生放送で配信中の動画番組「J-CAST THE FRIDAY」(https://www.j-cast.com/trend/friday/main.html)に出演する。日本宇宙開発の軌跡を、科学者たちのエピソードとともに振り返る。
昼12時半から。アーカイブあり。