日本一のバイキング料理を堪能 創業88年「蓼科グランドホテル滝の湯」がリニューアルオープン

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   オリックス不動産がかねてより旅館再生事業として運営を始めていた長野・蓼科温泉郷の温泉旅館「蓼科グランドホテル滝の湯」(吉留邦彦社長)が2012年4月21日、リニューアルオープンした。ロビーや庭園大浴場、レストラン、そして客室の一部を改装したもので、天皇陛下が皇太子時代に4度も宿泊された由緒ある温泉旅館は生まれ変わり、その心音は豊かな自然の中で躍動感を増している。

高さ6Mの「石窯」で焼く絶品ピザ

そそり立つ感じの石窯
そそり立つ感じの石窯 握りたての寿司も
握りたての寿司も

   創業88年で迎える今回のリニューアルの目玉は何と言ってもバイキングレストラン「Seeds(シーズ)」だろう。320席を擁する開放感満点の空間は「木立ち」をイメージしてデザインされ、ふんだんに用いられた木のぬくもりがゲストを優しく包み込む。

   入り口を入ってまず目を引くのが高さ6メートル近い「石窯」だ。大理石のモザイク装飾で周りを囲う凝ったもので、製造には1か月半かかったという。

「普通、こうした窯は排気管のことも考え壁際に設置するものですが、旅人が森の中で迷い、石窯を見つけた、というイメージを実現するためあえて中央に置きました」

   そう語るのはレストランだけでなくホテルのリニューアル全般を請け負った竹中工務店東京本店でインテリア設計を担当する河野美雄氏だ。

   この窯でじっくり焼かれるピザがおいしくないはずもない。現在、ピザは、「信州味噌(みそ)ピザ」「県産野菜とトウモロコシのピッツァ」「信州野菜のマルゲリータ」という地場野菜を用いた3種のオリジナルを提供しているが、料理を担当する嶋義昭氏は、「旬の野菜が入ってきたら、その都度、変えていきたい」と話す。

   「Seeds」のウリはまだある。ライブキッチンだ。通常のバイキングとは違い、ここでは目の前で調理したできたて、アツアツのものを提供しており、メニューの数は70種類以上に及ぶ。「地場野菜と旬魚の天麩羅(てんぷら)」に「川魚のあぶり焼き」「長野県産野菜で作ったミネストローネスープ高原バジル風味」といった、いかにも手をかけた料理を前に、レストランスタッフが「できたて、いかがですか」と笑顔で声を掛けてくる。「寿司(すし)」も目の前で板前さんが鮮魚をさばいて握ってくれる本格的なものだ。ほかにも、ピザ窯を囲むテーブルに「信州サーモンのスモークオニオン添え」「完熟蓼科トマトの冷製カッペリ」「県産野菜のバプール」「高原茄子(なす)と蓼科山麓豚のオイスター炒め」など、あくまで地場産の食材にこだわったメニューが所狭しと並ぶ。

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