祈りの言葉は「ラーメン」、天国にはストリッパー工場とビール火山、そして創造主は「スパゲッティ」――そんな珍妙な教義を掲げる宗教「空飛ぶスパゲッティ・モンスター教」をあなたはご存じだろうか。アメリカで2005年に創始されたもので、「世界はなんらかの知性(要するに神)によって創造された」という主張をパロディー化した冗談宗教だ。
教団のサイト(http://www.venganza.org/materials/)では、教団に反発する人々からの「ヘイト・メール」をあえて公開するといった挑発的な行動だけではなく、貧しい人々への少額の募金をしつこく呼びかけるなど、意外と地道な活動にも聖を出している。途上国へのマイクロクレジット(少額ローン)のための募金は、なんと100万ドルまで達しているという。
「教祖」ボビー・ヘンダーソンによる『反進化論講座―空飛ぶスパゲッティ・モンスターの福音書』は、日本では2006年に刊行されている。この「福音書」は現在も版を重ねており、信奉者は徐々に広がっているようだ――とは出版元の言。八百万のパンテオンに、スパゲッティ・モンスターが仲間入りする日も近いのかも知れない。