【書評ウォッチ】実名と写真入りの中国スパイ戦争 熾烈な実態をどう読むか

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【2012年4月8日(日)の各紙から】 中国は、良くも悪くも個性的な国だ。その国を、実に個性的な角度からとらえた『中国スパイ秘録』(デイヴィッド・ワイズ著、石川京子・早川麻百合訳、原書房、2400円)を、読売と日経が紹介している。実名と写真入りで書かれたことの全てを真実と信じていいかどうか、この大国と果たしてどう付き合っていくか、そこも考えながら読む価値はたしかにある。

「要人にハニートラップは常識」

『中国スパイ秘録』
『中国スパイ秘録』

   「米国で表面化した事件を手がかりに、米中間の情報戦の実態に迫る」と日経、無署名の紹介記事。インターネットの時代でも、スパイ戦の本質は変わらないらしく、本の売りもそこにある。

   中国側の総元締めは、国家安全企画部。迎え撃つ米CIAとFBI。著者は関係者150人あまりにインタビューしたという。

   「中国のホテルが盗聴器だらけ、訪中した要人にハニートラップが仕掛けられるのは常識だ」と、読売評者の橋爪大三郎氏がとり上げている。ハニートラップとは、色じかけ。副大統領を辞めたニクソンが1960年代に訪れた香港で親しくなったマリアン・リウは、実は中国の諜報員。ニクソン大統領の訪中前に、米国の手の内は筒抜けだったという。

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