サクラが咲いて今年も新社会人が誕生した。希望に胸は膨らんでいるだろうか。社会人としての心構えは大丈夫だろうか。先行き不透明な時代だからこそ、今スタートラインに立つ若い人たちに読んでほしい。J-CASTニュースの新書籍サイト「BOOKウォッチ」http//:books.j-cast.com/でも特集記事を公開中
その会社に未来はあるのか?
今は20代が希望を持ちにくい時代だ。長く続く不況で、就職もままならない。首尾よく会社に入っても、その会社に未来はあるのか。結婚やマイホームの夢は実現するのか。小学館集英社プロダクションから発売されている『20代で受けておきたい仕事の授業』(著・吉野敬介、1050円)は、そんな不安や悩みを抱える若い人へ向けた人生指南の書だ。
著者は「元祖・ヤンキー先生」と呼ばれる人気予備校講師。暴走族の特攻隊長として荒れた日々を過ごしたが、20歳の時、大学進学を決意して猛勉強。卒業後は予備校のトップ講師となった。その体験から出た言葉だけに説得力がある。「人生は不平等なんだ!」「成功したいなら人より目立て!」。自分の力で成功をつかみ取る意欲がわいてくる。
マナー違反の社会人は非常識な人間
社会人と学生の大きな違いはマナーに対する考え方だ。学生のマナー知らずはご愛敬だが、マナー違反の社会人は非常識な人間としてマイナスの評価が下される。困ったことに、ちゃんと教えてくれる人が少ないのがマナーだ。講談社の『社会のマナーとしくみがわかるおとな事典』(監修・岩下宣子、1575円)は、社会人として最低これだけは知っておきたいマナーとルールの基礎をイラスト入りで講義してくれる。
仕事中の態度、電話応対、来客との応接、敬語の使い方はもちろん、例えば、こんな時、あなたならどうするか。「部署の先輩に不幸があり、急に通夜に行くことになった」。服装は? 香典は? 挨拶は? 社会人となったら、いつ直面するかわからない。そんな時のために座右に置いておきたい1冊だ。
上司との付き合い方、即ちサラリーマン道の基本
サラリーマンには必ず上司がいる。いい上司もいれば、悪い上司もいる。しかし、上司を選べないのが、サラリーマンのつらいところ。さて、どう付き合っていくか。集英社新書の『「バカ上司」その傾向と対策』(著・古川裕倫、714円)は、30年を超えるサラリーマン生活を送ってきた著者による上司研究の集大成だ。
著者によると、とんでもない上司は3つに分類される。①はイヤな上司。性格に問題あり、暗くて怒りっぽいイヤミなタイプ。②はダメ上司。能力に問題があり、何度説明しても理解しないし決断もできない。③はバカ上司。姿勢に問題があり、情報を隠したり部下に責任を押し付けたりする。①②は許せるが、③とは時に戦う必要があるという。上司との付き合い方、これ即ち、サラリーマン道の基本といえそうだ。