世にダイエット本は数多い。しかし、その殆どが「これを食べれば痩せる」とか「一日最低何時間は歩きなさい」とか、あるいは「毎日、細目な運動をおこなう習慣」や「深夜や早朝のウォーキング、ランニング」を推奨している、いわば、マジメ人間に向けて書かれた「刻苦勉励、勤勉の書」だ。
フリーライターの桐山秀樹氏は美食家を自負し、体重87キロ(身長168センチ)の身体で取材、執筆に東奔西走の日々を送りながら、食べたい物を食べたいだけ食べ、飲みたい物を飲みたいだけ飲む生活を何十年と送ってきたが、その結果2年前に糖尿病とその合併症と診断され、1年近くの療養生活を送ることに。
そんな氏が出会ったのは、京都・高雄病院理事長の江部康二医師が提唱する画期的な食事療法「糖質制限食」。その核心は、野菜、肉、魚、豆腐、チーズなどをガッツリと食べてお腹を膨らませ、最後にご飯や麺類など糖質の高い食品を食べないこと。この食事法で、桐山氏は体重を20キロ、ウエストを20センチ減らすとともに、糖尿病で一番の問題になる血糖値を空腹時で110から120前後に下げることに成功し、この難病に打ち克った。
桐山氏はその著書『外食・ズボラ・満腹OKダイエット~「糖質制限食」の驚くべき効果~』でこの療法をサラリーマンの外食生活に応用し、「痩せる外メシ生活」について、朝、昼、晩の三食、お店の選び方、メニューのチョイスから食べる順番まで、懇切丁寧な実地指導を繰り広げている。特に運動も必要ないのがうれしいところだ。
メタボ体型がやや気になりはじめた人におすすめの一冊。