【書評ウォッチ】「3・11」から2週間も、風化せず 見逃せない「無署名」小記事

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基礎知識や今後の課題を整理

『大震災後の社会学』
『大震災後の社会学』

   さらに、朝日は『原発・放射能キーワード辞典』(野口邦和編、旬報社)も紹介。原発の仕組みや放射線と放射能、人体への影響の基礎知識を得るのに役立ちそうだ。320の見出し語を解説してもいる。

   東京新聞は新書コーナーで『大震災後の社会学』(遠藤薫編、講談社現代新書)。3・11以後の主な出来事について若い社会学者らが議論し、何が重要な課題かを浮かび上がらせようとする内容だ。膨大な情報の整理にも役立つと評価されている。

   一方、日経は小さなベタ記事ではない。「経済論壇から」というタイトルをつけ、トップ記事の扱いで、字数もたっぷり。評者の福田慎一・東大教授が「復興」に民間活力の重要性を説いている。その当否はべつとして、引き合いに出したのはほとんどが経済誌に掲載された論文や記事。専門家や研究者にはよくても、一般の市民読者向きとは趣をやや異にする。「論壇」と「読書欄」の仕切りをどうするか、「経済新聞」とはいいながら日経ぐらいになったら、少し考えてもいい。

(ジャーナリスト 高橋俊一)

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