山川出版社から発売(2012年3月)の新刊書『閉塞社会を生きる―"コード"で社会を考える』(著・真鍋貞樹)が好評だ。
「コード」がもたらす「自己規制」
豊かさを享受しているはずの社会で、ある種の息苦しさが充満している現代。著者はそんな状況を「閉塞社会」と呼び、その「閉塞社会」で我々の生活をコントロールしている「当たり前なこと」=「コード」がいかに関係しているかを考えていくと「隠された構造」が見えてくる、と説く。
これほどまでに赤信号を守る国民も珍しい。記憶に新しいところでは、東日本大震災が発生した際、暴動や略奪が起きなかったことでも海外から称賛された。見えないところで我々を規制している「コード」が「自己規制」をもたらしている、と著者はいう。
「コード」にはどのようなものが存在し、どのような影響を我々に与えて動かしているのか、なども具体的に解説するとともに、「コード」が持つメリット、ディメリットにも触れながら、閉塞社会を生き抜くうえでの参考材料を提示している。
単行本、269ページ。定価2415円。