「またあんな地震があるかも……」――震災から1年が経とうとする金曜の昼下がり、オフィスでそんな言葉を耳にした。これだけの月日が過ぎてもなお、人々の不安は消えないどころか、ますます増しているようだ。地震のみならず、解決しない原発問題も抱えるこの「3.11後」の日本で、私たちはどのように暮らしていけばいいのか。
本著はそんな、悲しみや怒りに囚われて心が壊れてしまいそうなとき、心と体をととのえるための「祈り」の力に焦点を合わせる。
荒ぶる神の火を鎮めるには、ちゃんとした鎮魂、「原発供養」が必要。――内田樹
ポジティブな祈りは空気を変えていく。祈る人は弱者じゃないんですよ。――名越康文
再び訪れる3.11。今、「祈り」の意味を再考したい。