痛感させられる「新聞」の使命 大震災翌日に届いた「河北新報」

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   東日本大震災から1年。復興は遅々として進まず、傷跡はまだまだ深い。「3・11」とどう向き合えばいいのか。震災関連の多くの出版物の中から、いま、この時期にぜひ読んでほしい3冊を紹介したい。J-CASTニュースの新書籍サイト「BOOKウォッチ」(https://books.j-cast.com/)でも特集記事を公開中。

震災の翌朝も新聞は届いた

『河北新報のいちばん長い日 震災下の地元紙』
『河北新報のいちばん長い日 震災下の地元紙』

   2011年3月12日、東日本大震災の翌日にも新聞は届いた。打ち続く余震と混乱の中、新聞はどのようにつくられ、配達されたのか。文藝春秋の『河北新報のいちばん長い日 震災下の地元紙』(著・河北新報社、1400円)は、サーバー倒壊、通信網、販売網の寸断という悪条件のもとで震災報道を続けた地元紙「河北新報」の苦闘のドキュメントだ。

   被災者をカメラに収めながら救助の手を差し伸べられなかったカメラマン、店が流出しながら避難所に新聞を届けた販売店主、「死者」という2文字を見出しに出来なかった整理記者・・・これでいいのか、それぞれの持ち場で葛藤を繰り返しながら奮闘する姿が胸を打つ。震災の記録として、報道現場の肉声の記録として、新聞の原点と使命を考えさせる1冊として多くの人にお勧めしたい。

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