インターネットと情報端末の普及で、我々を取り巻く情報環境は劇的な変化を見せているが、そうした流れに対応しようと、ストレスの中でもがき苦しんでいるのが中高年世代ではないだろうか。集英社が2012年1月26日に発売した新刊本『ユルかしこい身体になる 整体でわかる情報ストレスに負けないカラダとココロのメカニズム』の著者で、気響会(身がまま整体)主宰者の片山洋次郎氏は、そうした中高年と、小学生のころから携帯電話を当然のように使いこなしてきたデジタル世代とは、整体的にみても、骨盤や胸椎の反応の仕方など、身体の反応に大きな違いがあるのだという。
本書は、二分化されたそれぞれの世代の身体メカニズムと行動を、整体の手法を用いて観察・分析し、今後の身体の可能性を探ってくものだ。
中でも、第三章に出てくる「骨盤が固まると『うつ』になる」との項は看過できない。骨盤は「頑張る必要性」があるときにギュッと縮み、そうでなくなれば緩む。それが、昨今では骨盤が緩みっぱなしの人が増えていて、あるときそれが「ロック」され、頑張ろうと思っても頑張れなくなる、つまり、「うつ」状態を迎えるのだという。骨盤ロック=うつ状態を回避するにはどうするか? また、情報疲れした骨盤は、セックスレスの原因にもなっているとの記述も興味深い。
単行本、240ページ。定価1260円。