むらせ(神奈川・横須賀市)は、自主検査による福島米の出荷を2012年3月1日に始めた。
神奈川県を拠点とする同社は17年前から米の産地、福島県会津若松市に直接工場を置く形で関東に米を供給してきた。今回の自主検査による出荷は、原発事故の影響で消費量の落ちた福島産の米を、国の検査に加えた新たな検査体制をしくことで、安心して食べてもらう狙いがある。
ネット上で検査結果を確認できる
品質管理体制の一環として3月1日から福島米の放射性物質自主検査を強化するが、その内容としては、まず産地の放射能検査で出荷基準を満たした玄米を仕入れ、精米工場で線量計を用いた受け入れ検査を行う。その上で玄米の放射性物質をγ線スペクトルメーターで検査、さらに包装前の精米をロットごとにγ線スペクトルメーターで調べ、その製品検査の実施内容を購入者が確認できるように開示する。この内容のわかる専用サイトも2012年3月1日から公開している。
震災から1年を経て、東北を物産展などで支援しようという流れのなか、福島産品の扱いに戸惑う量販店の一部からも、この取り組みに評価の声が上がっているという。 取り組み内容のPR活動は2012年産新米の収穫時期まで継続して行い、福島米に対する消費者の不安を払しょくし、信頼回復につとめる。