アレルゲンがイオンにより不活化されるとは考えにくい
現在、家庭で使用されている空気清浄機は「イオン放出型」と「フィルター捕獲型」に二分されるが、池田教授は後者の「フィルター捕獲型」でないと空気をきれいにするという目的を果たすことは困難であると説く。
池田教授の説明の主旨はこうだ。
「アレルギー反応は、アレルゲン(アレルギー原因物質)によって引き起こされるが、その1つである喘息(ぜんそく)の発作をもつ患者が、室内空気中の各種アレルゲンに陽性反応を示す割合はダニアレルゲンが最も大きく作用しており、次いでカビが原因と考えられる。ダニアレルゲンに対する汚染対策として空気清浄機の使用は換気とともに最も効果的な手段だといえるものの、生物ではない単なるタンパク質の一種であるアレルゲンがイオンによって不活化されるとは考えにくく、換気あるいはフィルターによる捕獲型の空気清浄機によるろ過しか有効な対策はない」
そして、こうも言っている。「個人的には、空気清浄機というネーミング自体のイメージが良すぎる。いかにも空気をきれいにするように思われてしまうが、『粉じんろ過機』程度に考えるべきだろう。フィルター捕獲型以外の空気清浄機は、『ろ過』をするわけではないので、本当に空気をきれいにするかと考えると、効果があるかはわからない。これから本格的飛散が始まる花粉は粒子が大きいので、フィルター捕獲型の空気清浄機であれば簡単に除去できる」
池田教授の話を踏まえると、これから空気清浄機を買うなら、フィルター捕獲型を選ばないと意味がないと言えるだろう。
フィルター捕獲型の空気清浄機には『HEPAフィルター』などの高性能フィルターを装備した空気清浄機が多いが、「フィルターの目の細かさ(どの程度の大きさのアレルゲンや細菌を除去できるか)」や、「フィルターの構造」、「清浄スピード」が今後空気清浄機を選ぶ際の、重要なポイントとなりそうだ。