第84回アカデミー賞の授賞式が2月26日(日本時間27日)に迫った。映画ファンが最も興奮する瞬間を間近に控え、映画の魅力と面白さを少し違った角度から紹介したい。(J-CASTニュースの新書籍サイト「BOOKウォッチ」https://books.j-cast.com/でも特集記事を公開中)
ハリウッドの裏話を満載
映画は面白い。映画って最高だ。しかし、映画の裏話はもっと面白い。小学館集英社プロダクションから発売された『ハリウッドを笑い飛ばせ! 映画が面白くなる業界ウラ話』(監修・長土居政史、著・森マサフミ、1365円)は、ハリウッドで活躍する映画監督が監修者となり、ロサンゼルス在住の映像翻訳家の著者とともに現地で仕入れた業界の裏話を存分に紹介している。
ハリウッドでは毎年300本以上の作品が生まれる。アカデミー賞受賞作品もあれば、大コケ作品もある。完成品として世に出るまでには、どの映画にも汗と涙のドラマが隠されている。思わず誰かに話したくなる失敗談やこぼれ話。そんな映画作りの舞台裏と内部事情を知れば、アカデミー賞の裏側も見えてくる。「実録!監督への道のり」として、ふつうの日本人がハリウッドで映画監督になるまでを描いた実録秘話も掲載。映画ファンから監督志望者まで映画に関心のあるすべての人におススメの1冊だ。
リメイク映画に愛をこめて
「1粒で2度おいしい」のが名作だ。リメイク版を楽しめるからだ。現に、今回のアカデミー賞主演女優賞にノミネートされているルーニー・マーラの「ドラゴン・タトゥーの女」は2009年製作の「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」のリメイク作品だ。文芸社からの『不朽の名作が身近な名作に 映画のオリジナルとリメイクを楽しむ』(著・ビバ アリ アーヴィン、1050円)は映画を愛するひとにこそ与えられる、もう一つの映画の見方を教えてくれる。
オードリー・ヘプバーンの「麗しのサブリナ」や「シャレード」、ほかにも「猿の惑星」、「ロミオとジュリエット」など。オリジナル作品のヒロインをリメイク版では誰が演じるのか、といった興味はもちろんだが、著者は時代背景や女性像、恋愛観といった価値観の変化がどのよう反映されているかに注目、比較観賞という「2度おいしい」ぜいたくな気分を味わうのだ。