米統領選は音楽も聴きモノ キャンペーン曲が左右する勢力図

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『噂』
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フリートウッド・マック
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*2001年にDVDオーディオフォーマットで発売された盤のSACDハイブリッド盤
3200円
2011年9月14日発売(1977年作品)
ワーナーミュージック・ジャパン


   2012年は、世界の政治指導者が大幅に変わることになるかもしれない、大きな変革の年と言われている。

   その筆頭はアメリカ大統領選挙だが、そればかりでなくロシア、台湾、韓国、フランスで大統領・総統選挙が行われ、中国では国家主席が入れ替わることを前提とした中国共産党大会が開催される。ヨーロッパでは債務危機もからみギリシャ、イタリアでもすでにトップが入れ替わっているし、フィンランドでも大統領選が行なわれ、トップが交代したばかりだ。

   政治情勢ばかりでなく、結果次第では間違いなく経済にも大きな影響を及ぼすことになるだろう。

前回大統領選で使われた広告費は3180億円

   中でもアメリカ大統領選挙は既に共和党の予備選が始まり、2013年1月6日のゴールまで民主、共和両党の候補がそれぞれにしのぎを削ることになる。共和党はすでにミット・ロムニー・前マサチューセッツ州知事が、ニュート・ギングリッチ候補他を抑えて確固たる地歩を固めたかに見える。

   民主党では現職のオバマ大統領が既に出馬を表明しているが、経済の失政を言われ、必ずしも安全圏にいるわけでもない。

   アメリカ大統領選挙にまつわる話題で、アメリカでは良く取り上げられるテーマが、キャンペーンソング。さすがに日本ではさほどの興味を示すメディアもないのだが、アメリカではかなり大きく取り上げられる。なにしろ、2008年の前回大統領選では3,180億円のキャンペーン広告費が使われたといわれ、キャンペーンソングにも、相応の金が掛かっているに違いないからだ。

   おまけに、2010年に最高裁判決で下された選挙の規制緩和策で、企業や組合が「ほぼ制限なしに候補者に政治献金を行うことができる」ことになった。広告キャンペーン戦の激化は容易に想像ができる。

   だから、大統領選に目を瞑り、音楽という部分にだけ焦点を当てても非常に面白い。

   詰まるところ、候補者、その周囲のスタッフの抱える心象風景のようなものも見え、彼らの青春時代、音楽を必要とした時代までもが、なんとなく垣間見えてきたりもする。

◆加藤 普(かとう・あきら)プロフィール
1949年島根県生まれ。早稲田大学中退。フリーランスのライター・編集者として多くの出版物の創刊・制作に関わる。70~80年代の代表的音楽誌・ロッキンFの創刊メンバー&副編、編集長代行。現在、新星堂フリーペーパー・DROPSのチーフ・ライター&エディター。

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