2012年の今年、100歳を迎える現役講師がいる。橋本武さんだ。橋本さんは、旧制灘中学(現・灘高校)の国語教師になると、中勘助の小説「銀の匙(さじ)」を中学の3年間かけて読み込むという独特な授業を行い、公立校のすべりどめにしかすぎなかった灘高校を全国有数の名門校に導いた。
84年に灘高校を退職し、その後は文筆業の傍ら地元のカルチャーセンターなどで講師を務めている橋本さんの最新刊『伝説の灘校教師が教える 一生役立つ学ぶ力』が日本実業出版社から2012年1月26日に発売された。同書には、「銀の匙」授業が持つ意味はもちろん、「学びの人生」の意義、ゆとり教育への疑問など、人が生きていくうえで有効なヒントが多数詰まっている。
巻末には、特別付録として旧制灘中学卒業の作家・遠藤周作氏との興味深い対談も収められた。
単行本(ソフトカバー)、214ページ。定価1365円。