痛みに耐えてよく頑張った、感動した――と叫んだ小泉元首相ではないが、第一三共ヘルスケアが行った調査によると、実に78.4%の人が「日本人は痛みを我慢する国民性」だと考えているそうだ。
8割「頭痛、できるだけ薬飲まない」
全国の男女800人に尋ねたもので、これによれば68.3%の人が、実際に痛みを感じたときも「我慢していつもと同じように振る舞う」と答えている。特に「痛み」の中でも身近な「頭痛」の場合、79.3%が「鎮痛剤はできる限り飲まない」「我慢できない痛みのときに飲む」「痛みが強くなってきたら飲む」と回答しており、やはり日本人はできる限り痛みを「我慢」してなんとかしようとする傾向が強いようだ。
薬は痛み始めに飲まないと…
しかし日本医科大学脳神経外科の喜多村孝幸准教授は、医学的には「日本人は痛みに強い」「我慢強い」といった事実は存在しないと指摘する。喜多村准教授によれば、痛みを無理に我慢することは自律神経系に悪影響を及ぼすほか、場当たり的対処を繰り返すことで、うつ症状も引き起こしかねないという。
特に頭痛に関しては、我慢して痛みが本格化してからでは鎮痛薬も効きにくいため、たとえば片頭痛なら「痛み始めたら30分以内」に服用するのが望ましいそうだ。ただし飲みすぎは「薬物乱用頭痛」の原因にもなるとして、喜多村准教授は注意も呼びかけている。