札幌で毎年2月はじめに開催される雪と氷の祭典「札幌雪まつり」が近づいているが、北海道まで行かなくても北関東や東北にも魅力たっぷりの雪まつりはいくつもある。近隣には人気の温泉もあり、真冬の観光地として注目をあつめているのだ。
3メートルのかまくらなど、かまくら一色の景色は圧巻
まず、青森では2012年2月3日から「十和田湖冬物語」が開催される(26日まで)。十和田市の十和田湖畔休屋を会場とするこのまつりは北東北最大級の雪まつりで、期間中は青森や秋田の地産品が味わえる「ゆきあかり横丁」をはじめ、「かまくらBAR」、「酒かま蔵」「雪の大型すべり台」などの施設がもうけられ、夜は冬花火も上がる。夜空と湖面を華やかに彩る花火は幻想的の一語に尽き、それを肴(さかな)に飲む名酒の味も格別だ。
幻想的というなら、2月11日から始まる秋田の「横手雪まつり」(17日まで。13日は休み)も負けていない。400年以上の歴史があるこのまつりは、水神様を祀(まつ)る小正月行事で、雪国ならではの情緒を漂わせている。横手市役所前のかまくら広場を中心に市内各所につくられる高さ・幅それぞれ3メートルというかまくらの数は100個以上を数え、それに加えて各小学校の校庭にも30センチほどのものが約1万個姿を見せる。まさに「かまくら一色」に染まった光景は圧巻だ。かまくら以外にも、横手城や武家屋敷といった同地の歴史を感じさせる建物も目を楽しませてくれるだろう。
雫石町の小岩井農場まきば園で開催される「岩手雪まつり」は、札幌に負けず劣らずの迫力ある雪像がウリの一つ。夜には、ライトアップされた雪像と豪快な花火が絶妙のハーモニーで見るものの目を奪う。ほかに、楽しいステージショーも催され、小岩井農場産のジンギスカンが堪能できる。この地の周辺にある温泉では「八幡平温泉郷」が人気で、各宿には、地下から湧き出す硫黄泉(マグマの湯)が引かれている。