日経BPコンサルティングは、従業員300人未満の国内企業、団体に勤務する役職者327人を対象に、中堅中小企業におけるITの利用・活用状況を調査した「中堅中小企業のIT利活用調査」の結果を、2012年1月23日に発表した。
ITを利用・活用する上での課題30項目について6段階評価で集計。複数事業拠点間での電子メールの利用(89.5%)や、会計業務(69.4%)、売り上げ集計業務(59.3%)のIT化など中堅中小企業へのIT機器の浸透が目立つ一方、課題に対する改善ニーズが高いレベルで見られることが分かった。特に「システム化・自動化」、「事業継続計画、リスク管理、セキュリティー」に対して改善が求められているようだ。
課題に対する改善ニーズが高い現状が明らかになったものの67.6%が改善や見直しの対策をとっていないと回答しており、潜在リスクへの対策が思うように講じられていないことも浮き彫りになった。高い改善ニーズがある「職場内でPCや通信回線に詳しい人材を育てたいが方法や相談先が分からない」(76.6%)という項目が、アウトソーシングとの関連でみてもニーズに比べて実施できていない項目の筆頭となっており、職場内でのIT運用管理要員の不足感が感じられる結果となっている。社内の従業員に対する適格なサポート、アドバイザー、アウトソーシングを促進することが、ITのリスクヘッジには有効だといえそうだ。