山形県のお米――と聞いてもピンと来ない人が多いかもしれないが、山形はブランド米「はえぬき」などを栽培するお米の名産地で、例年、多くの地域が食味検査で高評価を得ている。
本格出荷は2年前から
そんな山形県が10年かけて新開発したお米が「つや姫」だ。お米らしからぬ幾何学的なシンボルマークはなにを意味しているのかわかりづらいが、じつのところ、この姫のターゲットは明確だ。ずばり打倒コシヒカリ。コシヒカリに代わってお米のナンバーワンブランドになる意気込み満々で、実際、公式サイトでは「交配から10年の歳月をかけて、ようやく、その美味しさにより"コシ(ヒカリ)を抜かす"米、『つや姫』を育成しました」と宣言。自信満々の様子だ。
しかし本格出荷は一昨年からはじまったばかりで、徐々に注目されてきてはいるが、まだ作付面積が少なく、売っている店も少ない。ネット上にはつや姫を販売している店がいくつかあるので、お試し感覚で取り寄せることもできる。今回は「庄内観光物産館」で注文してみた。だだちゃ豆、ラフランス商品など庄内、山形の特産品を手広く販売している店なので、そうした商品を選んで一緒に注文するのは楽しく、送料の憂鬱を軽くしてくれる。
「つや姫」2キロ(1180円 販売:鶴岡米穀商業協同組合)と、やはり山形の名物であるお漬物を頼んだ。関東までの送料はクール便で700円だった。
弾力と甘みが格別
つや姫は、農薬、化学肥料の使用を、その地域の通常の量より5割減らした特別栽培米。出荷時検査を行い、基準に満たないものは出荷できないという。そのせいか、炊く前から米がつぶぞろいで、名前通り艶があるように見える。炊きあがりは粒が大きく、弾力と甘みが格別だった。
きゅうり、だいこん、にんじんなどを細かく刻んだお漬け物、「ぜんご漬」90グラム(280円 櫛引農工連)も、歯ごたえ抜群。甘塩っぱい素朴な味とあいまって、ご飯との相性が素晴らしい。
たおやかな名前にそぐわぬ、熱い野望を秘めた「つや姫」。下剋上・天下取りをはたせるのか。とにかく刮目すべきお米なのである。
商品名:つや姫/ぜんご漬
取扱店:庄内観光物産館
サイズ:(つや姫)2キログラム/(ぜんご漬)90グラム
価格:(つや姫)1180円/(ぜんご漬)280円(送料別)