ドコモ、21か月ぶりに「純増数」首位奪還 MNPは3か月連続でKDDIがトップ

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   電気通信事業者協会は2011年12月の事業者別携帯電話・PHS契約数を2012年1月11日に発表した。それによると、新規契約数から解約数を差し引いた純増数においてドコモが42万9900件を記録し、2010年3月から21か月ぶりにトップとなった。昨年(2011年)10月の「iPhone 4S」発売以降、好調を続けていた2社(ソフトバンク37万7300件、KDDI(au)29万4300件)を抑えての首位奪還だ。

「ヴィーダ」販売数も新規契約数に?

2011年12月の携帯電話新規契約数とMNP増減
2011年12月の携帯電話新規契約数とMNP増減

   ただ、一方で、こうした純増数争いに業界内から懐疑的な声が出ているのも事実。2011年12月に発売されたソニー・コンピュータエンタテインメントの新型携帯ゲーム機「プレイステーション(PS) ヴィーダ」は、オンライン対戦ができる携帯電話回線(3G)対応端末で、この「ヴィーダ」の好調な販売数もドコモに数十万件の新規契約をもたらしたとささやかれているのだ。「ヴィーダ」だけではない。フォトフレームなどの専用端末までもがカウントされる状況ではもはや「純増数」の意味も曖昧になっており、2012年1月からはイー・アクセスが自社数値の開示を取りやめている。

   ちなみに、「純増数」のとらえ方について、KDDI広報部は、「各社それぞれビジネスモデルの違いもあるので難しいところだが、一つの指標にはなっているくらいの認識」と話す。

指標は「純増数」から「MNP」へ

   各社の好不調を示す役割を担ってきた「純増数」への信頼度が薄れてきた中で、「MNP(携帯電話番号ポータビリティー)」に対する注目が高まりつつある。MNPの利用者は、他社から契約を移行するという意思が明確で、その利用件数が重視されているのだ。

   2011年12月のMNPでは、ドコモの-(マイナス)9万4400件、ソフトバンクの+(プラス)3万9000件に差をつけ、KDDI(au)が5万5400件で3か月連続の首位となった。iPhone 4Sの投入に加え、スマートフォン端末やエリア品質の向上など、auブランド復活に向けて次々と策を講じてきたことがユーザーからの支持を高めているようだ。

   KDDI広報部は、「MNPで3か月連続首位になったのは大変うれしい。ただ、年間でみるとまだ転入超えにはならなかったので、来年に向けて一層頑張っていきたい」と、さらなるMNPの転入件数増を狙っている。

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