テレビ放映は「箱根駅伝」をどう変えた
しかし、箱根駅伝の中心となってくるのは、やはり各大学の優勝争いだろう。日刊スポーツ出版社の『監督と大学駅伝』(著・生島淳、定価1575円)は、そんな大学チームの要である「監督」たちに迫る。
本書に登場するのは「駒大・大八木弘明」「早大・渡辺康幸」「山梨学大・上田誠仁」「日体大・別府健至」「神奈川大・大後栄治」「大東大・青葉昌幸」「順大・澤木啓祐」といった、駅伝ファンなら知らない人はないだろう優れた指導者たちだ。彼らがいかに選手たちを育てたか、そしてどのように箱根に臨んできたかといった話はもちろん、各校の伝統的な戦略の違い、そして才能ある新入部員の発掘など、興味深いエピソードが多数引き出されている。
もう1つの本書のテーマが、「駅伝をとりまく社会状況」だ。特に1980年代後半のテレビ中継開始以来、箱根駅伝はどう変わってしまったのか。監督たちの目から見た、箱根駅伝の現状にも注目したい。