柚のヘタもついている
丸柚餅子は、見たところ柚の外見をしていて、ヘタもちゃんとついている。果物のつもりで持てば、ずしりと重い手応えがあり、包丁で輪切りに切るのは、若干の力が要った。なお、丸柚餅子は、弱火で蒸すと柔らかくなり、その後置いて置けば、好みの硬さにできるという。
輪切りにすると、どことなく茶色の漬物を思わせる。歯ごたえは羊羹(ようかん)か、硬めの餅かという、もちっとした感触があり、甘さは控えめ。そこに柚の皮の香りと苦みが、おくゆかしく、品のよい印象を与える。こんなお人柄、いや菓子柄には、感じ入らざるをえない。静々と深々と頭を下げたくなる銘菓であった。
商品名:丸柚餅子、玉柚餅子
製造:柚餅子総本家中浦屋
価格:1個1575円(丸柚餅子)、6粒入・315円(玉柚餅子)