アヌーナ
神秘のケルティック・コーラス~ベスト・オブ・アヌーナ
VIVO-260
2625円
2011年8月28日発売
プランクトン・レーベル
アイルランドと言えば、エンヤ、ケルティック・ウーマンなど世界的な評価を得ているアーティストがいる。
今回紹介するアヌーナもまた、日本ではさほど知られていないのだが、世界的には高い評価を受けている。
"ケルトの遺産を受け継ぐ神秘のコーラス「アヌーナ」"と評される。
それは、彼らの音楽性に、古くは千年以上も前のアイルランド中世宗教音楽が息づいているからかもしれない。
「中世のアイルランドの音楽を現代に蘇らせる」
アヌーナは1987年、ダブリン在住の作曲家マイケル・マクグリンによって、「中世のアイルランドの音楽を現代に蘇らせる」というコンセプトのもと結成された男女混合のコーラスグループである。
当初から流動的で、常にメンバー交代を繰り返し、ケルティック・ウーマンのメイヴやリン・ヒラリーも在籍していたことがある。これまでに100名近い歌手が参加してきたといわれる。
現在は10~17名のメンバーで編成され、それもはっきりと男女何人ずつというようなものではなく、曲によってもツアーなどの状況によってもフレキシブルに、その都度その都度メンバーが変わる。
マイケルは、中世アイルランドの聖歌を発掘し、アイルランドに息づく大衆的な伝統歌、さらにはオリジナル曲など多彩な楽曲を、ラテン語、英語、ゲール語を組み合わせ駆使し、大胆に現代的なアレンジ、時にシュールなアレンジを施して聴かせる。その荘厳かつ、時に不安を覚えるようなアレンジの妙を、広がりのあるコーラスが見事に表現する。
こういう音場は、教会音楽で聴くことしかなく、日本では評価の仕方がわからないというのが本当のところだろう。