なぜこの本が売れるのか 日本も捨てたもんじゃない

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   「私はいま九十代のスタートなんです。あと何年でお迎えがくるのか知りませんが、初めてのことなんです。『九十代』は初体験です」――。こうした感性があるからこそ、堀文子さんは画家として類いまれな才能を発揮し、随筆などの文章でも人々をうならせるのだろう。

「人といれば本当に寂しくないのかしら?」

自分の人生を見つめなおせる一冊
自分の人生を見つめなおせる一冊

   求龍堂から2011年2月に発売された堀さんの書籍『堀文子の言葉 ひとりで生きる』が、同年10月7日に第四版を数えるほど好評を博している。どこまでも「自由」を愛するために、その行き方の表現方法として画家になり、自己改造の必要性を感じるたびに住まいを変えた。イタリア・トスカーナに移住したのは齢70のときで、帰国後も未知なる世界を求めて、77歳でアマゾン、80歳でペルー、81歳でヒマラヤ山麓へと趣いた。

   2011年7月で93歳を迎えたが、探求心は衰えることを知らず、昨今は顕微鏡で見る微生物の世界に新たな創作の境地を見出し、精力的な活動を続けている。

   最後に、本の中からもう一つ、堀さんの言葉を紹介したい。

「みんなひとりが寂しいといいますが、人といれば本当に寂しくないのかしら? 人はそもそも孤独なんです」

   単行本(ソフトカバー)、200ページ。定価1260円。

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