今年の果物は出来がいい!
真剣なまなざしの佐藤裕基さん
果樹園の「フルーツランドよよぜん」代表の新田善治さんも「放射線量の問題は(今のところクリアしているから)心配ないが、これからブドウ、ナシなどがシーズンを迎えるのに団体客の予約は少ないね」と苦笑いだったが、佐藤さんが明るい話題を引き出した。朝と夜で温度差のあった今年の果物は「よくできている」ことで、新田さんは「(ブドウ狩りでは)粒もぎ(で食べるのが)がオススメ。皮と実の間がおいしいので、皮をぶちゅーっとつぶして味わって」と身振り手振りで教えていた。
また、新鮮な会津産野菜を食べさせてくれる、評判のイタリアンレストラン「リストランテ パパカルド」もある。矢口一二三オーナーシェフの「うちの料理は農家あってのレストラン。ですから風評被害は心苦しい」という話に耳を傾けながら、佐藤さんは10種の野菜をのせた定番メニュー「会津野菜のペペロンチーノ風」にフォークをからませた。一度食べたら忘れられないほど野菜には甘みがあり、その野菜はすべて矢口シェフが「どれだけ愛情を込めて育てているか」という基準から直接仕入れているものだという。地元の人たちからのさまざまな思いに触れ、一日をふりかえった佐藤さんはこう話していた。
10種の野菜をのせた「会津野菜のペペロンチーノ風」
「今日市内をまわってみて、どなたも熱い思いをもっていましたし、人のあたたかい部分に触れられたのがよかった。あらためて福島県が好きになれたと思います。。地震の影響が落ち着いてきている一方で風評被害は残り、県外の人には現状が伝わりにくく、はがゆさがあった。(今日のような)地元の人が考えている、生の声をどんどん伝えていきたい。誰もが『郷土愛』をもっていると思う。故郷を愛する気持ちを伝えながら、少しでも福島の素晴らしさを多くの人にわかってもらえたらうれしい」