「なでしこ」に贈られた化粧ブラシ 使用される毛にはリス、イタチも

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   女子サッカーW杯で世界一に輝いた「なでしこジャパン」のメンバーが2011年8月18日、国民栄誉賞を受賞した。その際、副賞としてプレゼントされた記念品が、高級化粧筆「熊野筆」。製造元へは問い合わせも相次いでいる。

熟練した職人が毛先を美しく寄せる

「基本ブラシセット ベーシック 椿」(写真提供:竹田ブラシ製作所)
「基本ブラシセット ベーシック 椿」(写真提供:竹田ブラシ製作所)
「朝からずっとメールや電話での問い合わせがきています。小さい会社なのでびっくりしています」

   副賞の製造元である化粧ブラシメーカー・竹田ブラシ製作所(広島・熊野町)の竹田康洋さんはこう話す。広島・熊野町は筆の産地として有名で、熊野筆といえば世界に誇る日本の伝統工芸品。とりわけ同社の化粧ブラシは国内外でメイクアップアーティストからの人気が高く、まさに世界一の「なでしこ」たちにふさわしい。

   国民栄誉賞の副賞として手渡されたのは、一般販売もされている「基本ブラシセット ベーシック 椿」(3万3075円)。フェースブラシ、チークブラシ、アイシャドウブラシなど、メークにかかせない基本の7本をセットにしたものだ。ただし、選手たちに手渡されたものには、筆1本1本に選手の名前を記し、桐の箱に収められた特別なものだという。

   「基本ブラシセット」のブラシには、天然のリス・ヤギ・イタチの毛を使用している。リスの毛は弾力性があり柔らかな毛先でフェースブラシとアイシャドウに、ヤギの毛はチークブラシにそれぞれ使われている。それ以外のブラシはイタチの毛。どのブラシも毛がやわらかく肌触りがよい。また、きちんと手入れをすれば、5年~10年は使い続けられる。

   これらの化粧筆は数十人いる従業員の手で、すべて手作りされている。熟練した職人が毛先をきちっと美しく寄せ、ひとつひとつ丁寧に仕上げてから、1本1本すべて目で確認している。「1日につくれる本数が決まっていて、急にたくさん作れるものではありません。(問い合わせの)様子を見ながら、場合によっては待ってもらうことになる」と話している。

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