【J-CAST独占インタビュー】
美人すぎる尼さんCDデビュー 「ありがとう」を歌で伝えたい

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仏教をベースにした宗教と音楽の融合

   確かに、デビュー曲「ありがとう」のシンプルさは特筆もの。一聴して、まるで「真言=マントラ」のようだと思った。浄土真宗でいえば「称名」とでもいうべきであろうか。

三浦 「ありがとう」は、これ以上シンプルにできない曲で、私にとってはチャレンジでもありました。

   不必要な部分をそぎ落としてそぎ落として生まれた曲。ここで歌われる「ありがとう」という言葉は、まさに「真言=マントラ」。そうした意味では、明利住職のこのアプローチは、希な「仏教をベースにした宗教と音楽の融合」という、最良の結果を生み出しているようにも思える。

   こうした音楽と宗教の関わりは、歌のうまいお坊さんが歌謡曲のCDを出すなんていうのはあったかもしれないが、これまで日本ではおよそ皆無だったのでないか――。

   たとえば、世界に目をやれば、宗教と音楽との密接な結びつきを感じさせる音楽は数多く存在する。ゴスペルもそうだし、教会音楽の原点「グレゴリオ聖歌」へのアプローチ、ことにキリスト教と音楽の関わりは深く広い。何年か前、「ザ・プリースツ」というイギリスの神父様3人組が鳴り物入りでデビューしたのを思い出した。

   また、仏教的なアプローチでは、チベット仏教の尼僧アニ・チョイン・ドルマは「マントラを唱える」CDを音楽として発表している。ドイツ出身でヒーリング・ミュージックのディーヴァ、デヴァ・プレマールはアルバムのほとんどをマントラで構成している……。

   それでも、宗教の現場・最前線にいる尼僧・僧侶、神父・牧師などが、宗教をベースにポピュラリティーのある音楽を披露するのは、かなり珍しい。明利住職の「ありがとう」は、明らかにそうした音楽の一つだろう。

◆加藤 普(かとう・あきら)プロフィール
1949年島根県生まれ。早稲田大学中退。フリーランスのライター・編集者として多くの出版物の創刊・制作に関わる。70~80年代の代表的音楽誌・ロッキンFの創刊メンバー&副編、編集長代行。現在、新星堂フリーペーパー・DROPSのチーフ・ライター&エディター。

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