河出書房新社から発売されている単行本『飢餓浄土』(著・石井光太)が話題を呼ぶ。
「残留日本兵の亡霊」「性臭が放つ幻」「棄てられし者の嘆き」「戦地に立ちこめる空言」の4章でヴェールを脱ぐ惨憺(さんたん)たる現実。国内外の文化、歴史、医療問題などを得意とするノンフィクション作家・石井光太氏が途上国を訪れ、そこで目の当たりにした光景は、幻ではなく、現在進行形の姿なのだ。途上国に生きる人々は、いったい何に怯え、何に抗っているのか――。
万城目学氏(作家)は、「これまで誰も歩まなかった道を石井光太は進んでいる。これは、ついていくしかないではないか」とコメントしている。
単行本、288ページ。定価1680円。