晶文社は、詩人・谷川俊太郎氏と絵本作家・塚本やすし氏が組んだ新作絵本『そのこ』を2011年6月4日に発売した。
かねてから国際的な問題になっている「児童労働」に焦点を当てた作品で、西アフリカのガーナ共和国を舞台に、学校へ通えず、日々、カカオの収穫をして家族を助ける「そのこ」について、日本に暮らす「ぼく」が自らの状況と比べながら、やるせない心情を綴る。特に、最後の一文、「そのこのみらいのためにないができるか だれかぼくにおしえてほしい」は胸を打つ。
現在、世界で2億1500万人の子どもが危険で有害な「児童労働」をしているといい、こうした子どもたちを救おうと、国際労働機関(ILO)は毎年6月12日を「児童労働反対世界デー」と定め、さまざまな活動を行っている。『そのこ』の出版は、そうした呼びかけに、谷川・塚本両氏が応えて実現。収益の一部は、児童労働の撤廃と予防に取り組む特定非営利活動法人ACEに寄付され、児童労働をなくす活動に使われる。
晶文社では、広く国際社会に向けた発信を目指し、次刷から、谷川俊太郎氏の詩の英訳を収載予定。
B5版、定価1575円。