約2年前のギャルウォッチで、「渋谷系と原宿系のファッション文化の違い」をお伝えしました。
そのコラムでは、原宿系女子が渋谷系テイストをあまり取り入れない慎重派であることをお伝えしましたが、実は最近、ハリネズミタイプだった(トゲトゲしていて他を寄せ付けなかった)原宿系女子に、ある変化が生まれ始めているようです。
というのは、ハリネズミタイプの原宿系女子が、渋谷系ギャルのテッパンでもある、あるアイテムを取り入れつつあるようなのです。
その気になるアイテムとは……、「つけまつげ」です!
今やOLも主婦も「つけまつげ」
元々、ギャルメイクに欠かせないテッパンアイテムとして重宝されていた、「つけまつげ」ですが、最近ではOL層や主婦層にも広がり、それに比例するかのように、原宿系女子にも浸透し、今では欠かせないアイテムとして重宝されているようです。
では、なぜ、原宿系女子に「つけまつげ」が受け入れられるようになったのでしょうか?
それは、原宿系女子達の「変身願望」に大きく関係しているようです。
一概に、原宿系女子と言っても多種多様なジャンルがあり、ナチュラル系からゴシック・ロリータ系まで系統はさまざま。そんな彼女達にとって、ファッションとは「自分を表現する場」、そして「新しい自分を生み出す場」でもあります。
ある原宿系女子がこんなことを言っていました。
『つけまを付けると可愛くなれるってのもあるけど、ファッションが更に可愛く見えるような感じがするんだ!渋谷系で言えば、盛れる的な感じかな?』
このように、渋谷系ギャルにとって、「つけまつげ」はメイクを盛るためのグッズとして欠かせませんが、原宿系女子にとっての「つけまつげ」は、ファッション的なアイテムとして受け入れられるようになったようです。
お互いの文化を理解し始めている!
また、今では、原宿系女子に人気のモデル・きゃりーぱみゅぱみゅが「つけまつげ」をプロデュースするなど、原宿系の新文化としても「つけまつげ」が理解され始めていることも理由の1つとも言えるでしょう。
そんな中、渋谷と原宿の文化融合に拍車を掛けるイベント『MARBLE Collection』が先週7月17日にSHIBUYA AXにて行われました。
早速、そのイベントに参加した原宿系女子に、渋谷系ギャルのイメージについて聞いてみると…。
『ギャルとは今まで無縁だったけど、ファッションも個性的で一度は挑戦してみたいと思った!』
『初めてギャル文化に触れて、原宿系とは違う個性があるって思った。つけまもそうだけど、ギャルから浸透するアイテムもあるんだなぁって思った』
このような意見を聞くことができ、これまで原宿系にとって渋谷系は疎遠されがちだったのが、渋谷系が原宿系ファッションを取り入れる「渋原系ファッション」が定着されつつあるように、徐々にお互いの文化を理解し始めているようなのです。
原宿系女子「日焼けだけはちょっと……」
以前までは、相反するものとして個々の文化を築いてきた両者ですが、今後はお互いの良い所や共感できる部分をさらに共有し合い、隣り合う文化として良い関係が生まれるのではないかと密かに感じでいます。
ただ…最後に1つ。
調査をしているうちに分かったのですが、原宿系が渋谷系を徐々に受け入れつつも、断固として譲れないことがあるようです。
それは、日焼け!
今年は、例年以上に黒肌系ギャルが続出していますが、原宿系女子にとっては、白肌でいることが彼女達の世界観を出し、そして、ファッションやメイクをさらに引き立てる要素の1つであると思われているようです。
ハリネズミタイプの「原宿系」からアルマジロタイプの「原宿系」へ。
自分に核となる強さは持ちつつも、以前までの寄せ付けないトゲトゲしさはなくなり、数年前よりも視野が広がりつつあるのが現代の原宿系だと言えるのではないでしょうか。
GRP副編集長 アミーゴ