快適な生活とエコは両立する
長期化が予想される電力不足を見据えて、家電を買い替えるのも一つの方法だ。購入の際の出費はあるものの、長い目で見れば「ランニングコストで回収できる」(和田氏)、つまり月々の電気代が安くなればトータルで節約につながるというわけだ。例えば最新の大型冷蔵庫の方が、10年前に買ったサイズの小さい冷蔵庫よりも消費電力量が少ないケースはよくあるという。
キッチンに「IH」を導入するのも一考だ。調理時に電気を使うことで、むしろ電力消費が大幅に増えるのではと思われるが、鍋やフライパンを熱する際の熱効率が高く、素早く調理できるのでエネルギーを無駄なく使えるのが特徴だ。夏場は、食事の支度で火を使い、部屋が暑くなって仕方なくエアコンの設定温度を下げるということもあるだろう。一方でIHの場合は、加熱の際も鍋などにだけ熱を伝えるために周りの空気を暖めることは少なく、結果的にエアコンの温度をそのままに使えて、設定温度を下げずにすむ。
これまでは、快適な生活を追求すると「ぜいたく」と見られ、エコを徹底すれば「我慢しなければ」という意識が働く傾向があり、快適性とエコはどちらかと言えば相反していた。だが「節電」を「しなければいけない」という義務感ではなく、時間帯をずらしたり新しい機器を導入したりして「楽しく、賢く」実践すれば、エコでありながら快適な生活を保てると和田氏は説明する。