埼玉県さいたま市の地サイダー「大宮盆栽だー!!」が話題を集めている。町おこしもかねて新たに開発されたもので、炭酸がやや強いすっきりとした味。市内では地酒と割るカクテル「さいボール」という飲み方も提案している。
松の葉をイメージしたチクチクするような炭酸
地サイダー「大宮盆栽だー!!」は2011年5月1日に発売された。開発のきっかけは「さいたま市大宮盆栽美術館」(2010年3月28日オープン)の開館から1周年にあわせた、町おこしをかねた試みだ。地サイダー開発の話が具体化したころ、さいたま市のブランド構築戦略提案型モデル事業にも選ばれ、開発チームも結成された。
地サイダーの味決めが本格的にはじまったのは2010年11月ごろ。最初は全国の地サイダーを飲み比べて試飲を重ね、関係者を集めてアンケートをとって味を模索した。まずは盆栽美術館で売るつもりだったから、盆栽にかけてパイナップル味にしよう(松は英語でpine)、盆栽の緑色をイメージした抹茶味はどうか、などと話し合いが続いたという。さいたま市経済政策課の担当者は、当時を振り返ってこう話す。
「はじめは色をつけたり、変わった味にしようとしたり、奇をてらった意見ばかり。それでも最終的には、サイダーのよさ――透明感やシュワシュワっとしたさわやかさ――に立ち返って、スタンダードなサイダーでいこうとまとまりました。味は、盆栽の松の葉に見立てて、チクチクするように炭酸が強く、それでいて甘さを控えています」
牛乳やヨーグルトで割るのはどう?
発売後は、盆栽美術館や周辺の商店などに限られていたが、現在ではさいたま市内にあるコンビニエンスストアやスーパーマーケットなど100店舗以上で購入できる。335ml瓶入りで、価格は200円。
「そのまま飲むのもいいけれど、子どもは果汁を、大人は酒をというように、何かをくわえてもおいしい。いろいろ試してみた中で意外だった組み合わせは、牛乳やヨーグルトで割る飲み方。すっきりしているような、ちょっと不思議な味でした」(前出の担当者)
また、さいたま市は2011年7月8日、市内にある酒造会社(内木酒造、大瀧酒造、小山本家酒造、鈴木酒造)とともに、ご当地カクテル「さいボール」を提案し、普及をにらむ。「さいボール」は、さいたま市の地酒を「大宮盆栽だー!!」で割ったカクテルで、「さい」と「たま(球=ボール)」をかけたものだ。「日本海庄や」の一部店舗(大宮公園店・大宮西口店・浦和店・さいたま新都心東口店・ランドアクシスタワー店)での提供も予定している。