自信満々で押し通すほど、孤独に落ち込んだ
なにが彼女をそうさせたのか? 僕が一番気になっていたことでもある。
おそらく自分自身を微にいり細を穿って分析したとしても、彼女自身にも分からなかったことなのだろう。もろもろのすべてが、ことに初期の作品には、「苛立ち」のように色濃く反映されている。だが、それとても、言葉として見事に昇華し作品化されているのがすごい。歌詞には、痛みを伴いながらも、生に寄り添うような言葉の数々が並んでいたのだが、「2005年頃、変化した」と彼女は言う。
「10代の頃の自分は、ありのままの自分を許したい、正当化したいと思っていたと思う。傍からみれば自信満々で、結果的には反抗してるように見えたに違いないですね。でもそれを押し通そうとすると、周りはついてこない。むしろ弊害が生まれてきて、精神的な孤独に落ち込んで……結局、独りじゃ何もできないと気づかされてしまった。支えられて生きてたんだなあ、支えられなければ生きていけないんだなあと、心底思ったのが、2005年」
そこから、作品の質も目に見えるほどに変わった。自分以外のところにある人間関係への憧れにも似たアプローチが生まれたような感じなのだ。つまりは、一人称の独りよがりから、二人称、三人称の社会性に目覚めたとでも言えるか。だからといって、つまらぬ社会性への迎合ではない。