東京の下町の地サイダーが、およそ20年ぶりに復刻――。その飲料「トーキョーサイダー」が、2011年6月20日から、墨田区内の飲食店や駄菓子店、商店などで販売されている。凝った特設サイトも立ち上がり、2012年に開業を控えている東京スカイツリーとともに墨田区を盛り上げていく。
腰に手を当てて飲みたい!
「トーキョーサイダー」は、戦後間もない1947年、丸源飲料阿部商店(現・丸源飲料工業、東京・墨田区)が売り出した炭酸飲料。ラベルには、関東大震災や第2次世界大戦で被害を受けながらも耐え抜いた「旧両国国技館」がデザインされていた。「東京の復興のシンボル」として、地元で親しまれたという。
ところが、販売数が落ち込んだことなどを理由に、1989年に販売を終了。その間、期間や数量限定で売り出したこともあったが、来年の東京スカイツリーの開業にあわせ、「墨田区を盛り上げたい」という思いとあいまって、「完全復刻」が決まった。瓶の形状やラベルなどを当時のまま復刻した「オリジナルバージョン」(340ml、250円)と、スカイツリーを模した円すい形が特徴的な「スカイツリーバージョン」(300ml、380円)がある。
発売から数日経つが、担当者は「店によって(卸している)数量が異なるものの、発売日の午前中で売り切れてしまった店、品薄だという店もある」と言い、評判は上々のようだ。商品は、墨田区内にある飲食店や駄菓子店、商店など約50店で購入でき、電話やインターネットでの販売は扱っていない。