ソーシャルネット・ゲームを手がけるディー・エヌ・エー(DeNA)とゲームソフト開発のレベルファイブが2011年6月21日、都内で記者会見を開き、ソーシャルゲーム事業で提携すると発表。あわせて、両社の人気ゲームがコラボした、新タイトル「レイトン教授ロワイヤル」を2011年秋ごろから、フィーチャーフォン版「Mobage」で配信すると明らかにした。
刑事、市民、犯人の「役割」を演じて遊ぶ
「君がレイトンの世界に入る」「君が演じるのは誰か?」「犯人はあなたかも知れない…」
謎めいたキャッチコピーとともに、新タイトル「レイトン教授ロワイヤル」が紹介された。今回のゲームは、世界で1200万本を発売しているゲーム「レイトン教授」シリーズの最新作という位置づけで、ユーザーは、レイトン教授の世界に入って、キャラクターの「役割」を演じて遊ぶというものだ。
ゲームのスタート時にユーザーは、刑事、市民、犯人の3つの「役割」の中から、いずれかを演じる。どの役かはランダムで決められ、その役に従ってゲームを進めていく。日野晃博・レベルファイブ代表取締役/CEOは「(ゲームの中で)役割を演じることはロールプレイングと言うが、一般的なロールプレイングゲームとはニュアンスが異なり、与えられた役割を演じるゲーム。あるようでなかった、新しいゲームだ」と胸を張った。
刑事は「敏腕操作でグループに潜む犯人を暴く」、犯人は「グループ内をかく乱して最後まで逃げ切る」、市民は「刑事に協力してゲームを解決に導く」という「任務」が与えられる。プレイヤー同士が、互いにかけひきしながら、相手の正体を推理し、見破るのが醍醐味(だいごみ)だという。日野CEOは「(ゲームは現在、)ある程度完成していて、社内でテスト中。かなり面白いものになるのではないか」と自信をのぞかせ、次のように補足した。
「たとえば、『刑事』という役割の場合、『犯人』を探すことになるが、『市民』の中には『犯人』が化けているケースがある。『犯人』とわかれば、いろんなアクセスをして、『犯人』である証拠をつかんでいく。逆に、自分が『犯人』なら、その罪を別の人になすりつけるなどしていく。まさに心理戦のような楽しみがある」
「新しいジャンルのゲームが生まれていなかった」
両社の業務提携については、6月末から新社長に就任する守安功・ディー・エヌ・エー取締役兼CEOが「(Mobageでは)1000を超える(ゲームの)タイトルがあるが、課題はあった。そのひとつはゲームの多様性。フィーチャーフォンの場合、操作性や画面サイズの問題などあり、なかなか新しいジャンルのゲームが生まれていなかった」と説明した。
フィーチャーフォンにおけるソーシャルゲーム市場の規模は大きいものの、将来的なスマートフォン市場の拡大を考えると、ソーシャルゲームには操作性、アクション性、グラフィッカルな部分など高機能が求められている。そうしたことからも、今後を見据え、ゲームソフト開発のノウハウを持つレベルファイブと組んで、新たなソーシャルゲーム市場を開拓していきたい考えだ。
日野CEOも「ソーシャルゲームのインパクトは大きいが、当社としては弱い部分があった。(DeNAと)相互に補完することで大きなビジネスに発展するだろう」と期待を寄せており、今回の提携でさらなるグローバル展開も視野に入れている。