人道的な視点からの企業活動
広さ330平方キロメートルという広大な敷地に鎮座する長沙の本社工場には、入り口を始め、工場内部のあちらこちらに、同社のスローガンである「品質改変世界」の文字が躍る。「品質は世界を変える」という意味だが、開発部門を統括する易小剛執行総裁は次のように詳説した。
「『品質』には、『製品の品質』のほかに『社員の人間としての素質』という意味があるが、四川大地震やチリ鉱山事故、福島原発事故といった災害に対する当社の迅速な対応には、常に人道的な視点から企業活動を行いたいとの思いも込められている」
「大キリン」の無償提供も、こうした企業理念のもと、役員の全会一致で決定したといい、向総裁は「宣伝とはまったく考えていない。もちろん、今回のことが日本の市場開拓のきっかけになるのであれば、それはうれしく思う」と語り、表情を緩めた。