「日本との協力欠かせない」
会見で向文波総裁は、もっとも重視する市場として、中東や南アフリカ、東南アジアといった建設需要の伸びている地域を挙げた。「三一重工」は現在、ブラジルやインドに工場を建設中で、将来は世界30か国で生産拠点や販売・アフターサービスのネットワークを構築していく予定だという。
もちろん、日本進出も視野に入れている。品質やサービスに対する要求の厳しい日本の市場に打って出ることで、製品やサービスの品質を高め、他国への展開に弾みをつけたいというのが狙いだ。コンクリートポンプ車やクローラクレーン車など、優位性のある製品を販売していく計画で、いま「三一日本」を通じ、販売ネットワークの構築を検討している。もともと、部品の75~80%を日本のメーカーから調達するなど下地は築いており、向総裁は「今後の発展に日本の協力は必要不可欠」と声のトーンを高めた。
いずれにしても、福島に贈った「大キリン」が、結果的に格好のデモンストレーションになったのは言うまでもないだろう。