ひと工夫で涼しくなる!エアコン節電術
ダイキン工業空調生産本部商品開発グループの香川早苗さんに聞く

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   電力不足が心配される夏。福島第一原子力発電所の事故の影響もあって、2011年の夏はとくに「節電」への関心が高い。

   空調メーカーのダイキン工業が全国の20~70歳代の男女624人を対象に行った「今夏の節電と空気」の調査結果によると、約9割の人が節電効果の高い電化製品に「エアコン」をあげている。夏本番を前に、「節電効果を上げるにはどうしたらよいのか」との問い合わせも増えているという。

   そこで、「空調のプロ」といわれるダイキン工業の空調生産本部商品開発グループ、香川早苗さんに、この夏すぐに使える「エアコンの節電術」を伝授してもらった。

室外機と室内機、効率いい運転が節電につながる

「エアコンの節電術」を語るダイキン工業の空調生産本部商品開発グループ、香川早苗さん
「エアコンの節電術」を語るダイキン工業の空調生産本部商品開発グループ、香川早苗さん

―― エアコンの節電のため、事前に知っておくとよいことはありますか

香川 はじめに、エアコンの仕組みを知っておくと、これからお話しする節電術もすんなり理解してもらえると思います。簡単に説明すると、エアコンは水などが蒸発するときに熱を奪う性質(気化熱)を利用しています。外の空気を室外機でフロンガスという冷媒を使って冷やして部屋に送り、そして今度は反対に室内機で部屋の中の熱を吸い取り運んで外に追い出すという仕組みです。つまり、エアコンは室外機と室内機の両方を効率よく運転することが節電につながるのです。
―― エアコンを使う前に準備しておくことはありますか
香川 室内機のフィルターの掃除は基本です。フィルターを通じて室内に冷たい風を送ったり、部屋の熱を吸い取ったりするので、目詰まりすればそれだけ効率が悪くなります。2週間に1回は掃除してほしいですね。

 また、熱を発する電化製品が近くにあるのもよくありません。たとえばテレビやパソコンを付けっ放しにするのは、そもそも電力がもったいないのもありますが、部屋の温度を上げてしまう原因となり、エアコンにとってもよくありません。

―― 室外機について気をつけることはありますか

香川 マンションのベランダに置かれている室外機の周りに、物が置かれているのを見かけますが、これはできるだけ避けてほしいですね。室外機は部屋から運ばれてきた熱を排出したり、外気で冷やしているので、物が置いてあると熱がこもったり風通しが悪くなり、運転効率が落ちます。周囲にはなるべく物を置かないようにしましょう。

 直射日光が当たる場所に置くことでも効率が落ちます。室外機は外の空気を使い、冷やして部屋に送りますから、たとえば木かげなどのできるだけ涼しい場所のほうが効率よく冷やせるわけです。ただ、すでに設置してある室外機を動かすのは難しいので、室外機から1mほど離れたところにヨシズなどを用意して日かげをつくるといいでしょう。

 また、室外機にカバーをしている人がいますが、それも効率を悪くする原因になる場合があります。
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