電力不足の影響で省エネ器機への注目が高まっている。そうしたなか、ブラザー販売(名古屋市)が、関東・関西・中部それぞれの地区で大型複写機・小型複合機を所有している従業員数2~9人以下のオフィスの事業主600人を対象に、「小規模事業者のオフィスのコスト削減に関する意識調査」を実施した(調査期間:中部電力浜岡原子力発電所の運転全面停止前の2011年4月12日~4月14日)。その結果、「節電」「節約」だけでなく、使用するオフィス器機に「省電力性」や「低コスト」を求める意識も、震災の前と後では、"東と西"で大きな差となって表れていることが分かった。
節電に貢献できる事務器機、1位パソコン、2位大型複写機
日ごろからコスト削減・節電・節約を意識している小規模事業者は、関東91.0%、中部86.5%、関西90.0%と、地域差はほとんどみられなかったが、東日本大震災以降、さらに意識するようになった小規模事業者は、それぞれ65.5%、47.5%、45.5%と"東高西低"に。それも、「かなり意識するようになった」という回答においては、関東23.0%に対し、中部・関西は7.0%と約3倍の開きがあった。また、製品や使用方法を見直した場合、オフィスや店舗の節電に大きく貢献する事務器機は何かと聞くと、1位はパソコン、2位は大型複写機、3位はプリンターだった。震災以降、節約できる複写機が求められているようだ。
ブラザー販売ではこうしたタイミングで、小規模事業者が望む最新の複合機を投入する。1つは、ビジネス向けプリンター・複合機「ジャスティオ」シリーズの新製品で、従来機種に比べて2倍以上の高速印刷を実現し、さらに用紙コストの削減に貢献する自動両面プリント機能を搭載したA3カラー複合機「MFC-J6710CDW」(5月下旬発売予定、オープン価格)。カラープリントヘッドのノズル数を2.2倍に増やし、用紙の搬送構造を改良することで、従来機種「MFC-6490CN/6890CN」に比べて、モノクロは約2.4倍の12ipm、カラーは約2.6倍の10ipmもの高速化を実現している。また、用紙コストの削減につながる最大A3サイズまで対応の自動両面プリント機能を標準搭載すると同時に、スリープ時は約3.5W、コピー時でも約26Wと、インクジェット方式ならではの低消費電力も実現した。
2つ目は、やはり「ジャスティオ」シリーズの新製品で、コンパクトながら26枚/分の高速プリントエンジンと、自動両面プリント機能を搭載したA4モノクロレーザー複合機3機種(MFC-7460DN/DCP-7065DN/DCP-7060D、いずれも6月中旬発売予定)だ。高さ26.8センチ~31.6センチというコンパクトサイズながら、印刷速度を従来機の21枚/分から26枚/分に速めるとともに、同シリーズにおける普及機クラスのレーザー複合機として、初めて自動両面プリント機能を標準搭載し、紙資源の節約に貢献。トナーとドラムは別々に交換できる分離型を採用しており、両方の部品をムダなく使い切れるよう環境負荷を軽減し、3円/枚(トナーのみ交換時)の低ランニングコストも実現した。
なお、「ジャスティオ」シリーズからは、高性能かつサポート体制を強化したハイエンドモデル「ジャスティオプロ」を、新ブランドとして立ち上げ、6月中旬に販売開始する。