「あっしには、かかわりのねぇことでござんす」のセリフで知られる渡世人・木枯らし紋次郎が、笹沢左保氏の小説の主人公として登場したのは、もう40年前のことだ。その後、幾度となく、テレビドラマ化や映画化があり、国民的な人気を得た。その紋次郎役を演じた一人として、最も強いインパクトを与えたといっていいのは中村敦夫氏だろう。
中村氏は俳優・監督から報道番組のキャスター、国会議員へと活動の場を移してきたが、2007年から2009年にかけて同志社大学大学院・総合政策科学研究科の講師として環境社会学の講義をしていたことはあまり知られていない。
2011年4月4月7日に、講談社から発売された単行本『簡素なる国』(著・中村敦夫、定価1785円)は、同志社大での講義録をベースにエッセンスを要約し、再現風に綴ったものだ。
「第一時限」から「第十四時限」までの14コマ構成で、自身の経験や知識を踏まえ、政治・経済・環境・哲学を中心に、幅広く持論を展開している。
中村氏は、いまの世情を「死の淵に追い詰められた」としたうえで、「人類を閉じ込めている『四面の壁』」という言葉で表現。この危機から脱出するには、「貪欲と競争」から「少欲知足」への価値観の転換、「グローバリズム」から「ローカリズム」への社会システムの転換が必要だと説いた。
そんな中村氏が2011年4月22日、J-CASTニュース提供のユーストリーム情報番組「J-CAST THE FRIDAY」(毎週金曜12時半~、アーカイブあり)に生出演し、旧知の間柄である元「AERA」編集長でJ-CASTニュース発行人の蜷川真夫氏と対談する。