「6時間大手術」から生還 脳腫瘍克服した球児のドラマ

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『世の中への扉 甲子園がくれた命』
『世の中への扉 甲子園がくれた命』

   2010年春のセンバツで日大三高(西東京)を準優勝に導いた左腕・山崎福也(やまざき・さちや、現在明治大学)君のことを記憶している人も多いだろう。高校入学直前に脳腫瘍がみつかり、成功率10%ともいわれる6時間に及ぶ手術を受けた。北海道大学病院・澤村豊医師による手術は見事に成功、福也君は「奇跡的」に再びアイボリーのユニホームをまとってマウンドに立ち、大舞台で投打にわたり活躍したのだ。

   そんな福也君の足跡をたどった新刊本『世の中への扉 甲子園がくれた命』(著・中村計)が2011年3月4日、講談社から発売された。同書は、福也君の頭の中に異変が見つかった経緯から、大手術にのぞむ本人、家族、そして医師の心情、さらには、「甲子園が教えてくれたこと」を柱に、心温まるストーリー構成によって、「生命」の重さを痛感させてくれる一冊だ。

   福也君はこう話している。

「まずは大学で活躍することです。そのあとは絶対、プロですね。それで、病気で苦しんでいる人たちをはじめ、いろんな人の力になりたいんです」

   ちなみに、プロ入りできた際に付けたい背番号は、手術日(3月21日)にちなみ「21」だという。

   単行本、178ページ。定価1260円。

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