最優秀店の卵マヨネーズは800円!
今年、ゆで卵マヨネーズ保護委員会によって、「パリで最も優れたゆで卵マヨネーズが食べられる店」として選ばれたのはパリ1区にある、ブラッセリー(カジュアルなレストランの意)・フロットである。
シェフのオリビエ・フロット氏は「ポピュラーな前菜メニューですが、細心の注意を払って作っています」と胸をはる。「卵のゆで時間は8~9分以内。マヨネーズは卵全体を覆い、また、付け合わせの細かく切ったゆで野菜のサラダは、野菜を歯ごたえが残るくらいの固さにゆでなければなりません」と話す。
同店のHPには、受賞作の写真とともに、栄誉を誇るテキストが掲載されている。くだんのゆで卵マヨネーズは単品で頼むと7ユーロ(800円程度)となかなかの値段であるが、確かに、写真を見ると、サラダも添えてあって、見た目も美しい。二つに切ったゆで卵にマヨネーズがちょこんとのって出て来るだけの店も多いので、それに比べると手が込んでいる。
ゆで卵マヨネーズ保護委員会は、この10年間で約400件のレストランをテストしたそうだが、受賞に値するゆで卵マヨネーズの条件は、1:見た目が食欲をそそること、2:マヨネーズの味付けがいいこと、3:卵が十分な大きさであること、4:付け合わせのゆで野菜サラダはジャガイモの量が多すぎず、かぶとにんじんがたっぷり入っていること、だという。
単純に見えて奥深い、哲学好きのフランス人に好まれる料理のようです。
【プロフィル】
江草由香(えぐさ ゆか)
フリー・編集ライター。96年からパリ在住。ライターとして日本のメディアに寄稿しながら、パリ発日本語フリーペーパー『ビズ』http://www.bisoupfj.comの編集長を務める。著書は芝山由美のペンネームで『夢は待ってくれるー女32才厄年 フランスに渡る』。趣味は映画観賞。